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箱の内側までデザイン!UVインクジェットでプレゼントBOXを彩る

プレゼントBOX_アイキャッチ画像

印刷チャレンジ 〜Vol.15〜【プレゼントBOX編】
印刷の現場では「この素材にも印刷できるの?」という問いがつねに生まれます。
今回はプレゼントBOXにUVインクジェット印刷を行い外側と蓋の内側の両面でどこまで表現できるかを検証しました。
贈り物の第一印象を左右する箱を自分だけのデザインで仕立てる楽しさと技術的な工夫をお伝えします!

公開:2025.09.25

今回のプレゼントBOXと狙い

今回使用したのは市販の紙製ギフトボックスです。
箱のサイズは卓上で扱いやすい小型のものを選びました。
外側にはクリスマスの装飾(季節はハズレですが 笑)を印刷し、蓋の内側には手書き風メッセージを配置して開けた瞬間のサプライズを狙います。
既製の箱を買うのではなくオリジナルのデザインを直接印刷することで、高いオリジナル性を実現するのが今回のテーマです。

プレゼントBOX_外側_素材

プレゼントBOX_内側_素材

デザイン準備とデータ作成

外側には「MERRY CHRISTMAS」の文字を印刷します。
この暑い夏にちょっとでも涼しげな気分になれればなと 笑
蓋の内側は「ハッピーバースデー」と手書き風のデザインで印刷を行いました。
※クリスマスが誕生日の方限定のプレゼントBOXになってしまいました 笑

位置合わせ

箱は立体物のため平面とは違い固定の工夫が品質を左右します。
蓋の内側は特に並行が取りづらいので支えを置いてテープで固定しました。

プレゼントBOX_内側_設置

外側の印刷工程

まず外側から印刷します。
印刷直後にUV照射が入ることで指触乾燥はすぐに得られ、仕上がりとしてはさらりとした自然な半光沢感が出ています。
今回は贈答用途という前提から、あえてクリアインクを使用せず、紙地の質感を活かした落ち着いた表情にまとめました。

プレゼントBOX_外側_印刷前

プレゼントBOX_外側_印刷中

仕上がりチェック

外側のデザインはエッジが立ち細部も潰れず狙い通りの解像感でした。
指でなぞると若干の厚みがあり、それが立体感を演出し、いい雰囲気です!
擦過の簡易試験では軽い擦りでは転移や傷は見られず実用上の耐久性は十分と判断しました。

プレゼントBOX_外側_完成

蓋の内側に挑戦

次は内側です。
印刷ヘッドと紙面の距離が一定でないと滲みや文字太りの原因になるためまずは並行に設置することに注力しました。
手書き風メッセージは線の抑揚が魅力なので過度に太らないように注意です。
仕上げはクリアなしでも十分読みやすかったため今回は内側もクリアを省略し紙の手触りを優先しています。
印刷後に蓋を開閉して擦れが出ないかも併せて確認しました。

プレゼントBOX_内側_印刷前

プレゼントBOX_内側_印刷中

よくある失敗と回避策

箱印刷では二つの失敗例が起こりやすいです。
一つ目は段差起因の擦れです。
角を跨ぐ面付けは避けてモチーフを少し内側に寄せヘッドギャップの余裕を確保します。
二つ目は位置ズレです。
特に内側に印刷する際には、並行に設置することが難しくなります。

応用アイデアと拡張

箱印刷は少ロットの名入れギフトに最適です。
誕生日や記念日向けのメッセージ差し替えはもちろんロゴやQRコードを入れてブランド体験を拡張することもできます。
店舗ではサンクスメッセージを週替わりで変えるとSNSに載せてもらえる確率が高まり回遊導線にも効果的です。
プレゼントの中身はもちろんですが、プレゼントを入れる箱からこだわることで、より特別な贈り物となるでしょう。

プレゼントBOX_内側_完成

お客様へのご案内のポイント

持ち込みの無地箱にも対応可能ですが材質と表面コートの種類により結果が変わるため事前の仮刷りを推奨します。
強い段差や起伏があるデザインは避け数ミリの余白を設けると実物での見栄えが安定します。

今回の結果と次への課題

外側は半光沢の落ち着いた質感で上品にまとまり、既製品のような完成度を感じさせる仕上がりになりました。
ロゴや模様のエッジもシャープに再現され、シンプルながらも高級感を漂わせています。
一方、蓋の内側に印刷したメッセージは、手書き風のニュアンスがそのまま残っており、機械的なフォントでは得られない温かみが表現されました。
受け取った人が箱を開けた瞬間に、思わず笑顔になるような「心の距離を縮める効果」があると感じます。

さらに、外側と内側で質感をあえて変えたことにより、外は上品でフォーマル、内側はカジュアルで親しみやすい雰囲気というコントラストが生まれました。
この二面性がプレゼントBOX全体の体験を豊かにし、単なる包装資材から「メッセージを届ける媒体」へと昇華しています。
総じて狙い通りの特別感を演出できたといえ、今回のチャレンジは大きな成果につながりました。
今後はこのノウハウを応用し、イベント用ギフトや店舗販促など、さまざまなシーンで展開していける手応えを感じています。

まとめ:無地の箱を一点物に変えるUVインクジェット印刷の魅力

プレゼントBOXへのUVインクジェット印刷は無地の箱を一点物のギフトに変える有効なアプローチでした。
並行出しの工夫を押さえれば外側と蓋の内側の両方で安定した再現性が得られます。
今回のプロセスは名入れギフトや少ロットの記念品パッケージにそのまま応用でき店舗やイベントでも活躍します。
これからも身近なアイテムに挑戦し印刷の可能性と楽しさを記事で発信していきます。

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