大阪でインクジェット印刷なら蔵所写真工芸

スタッフブログstaff blog

サインボールにUVインクジェット印刷!意外な素材への印刷!

サインボールのアイキャッチ画像

印刷チャレンジ 〜Vol.12〜【サインボール編】
今回はスポーツグッズの定番であるサインボールに、弊社アイコンをワンポイントで直接印刷を行いました。
球体への印刷は位置合わせがシビアで、平面とは比べものにならない難しさがあります。
その分、うまく決まったときの達成感は格別です。
この記事では準備から印刷、失敗と再挑戦、仕上がり評価、そして今後の応用可能性までを、失敗も含めて包み隠さず公開します。
「挑戦しているところが見たい」という読者の方に、現場のリアルな視点でお届けします。

サインボールの素材

なぜサインボールに印刷するのか

サインボールは白地で目が粗すぎない表面を持ち、ロゴのコントラストが出やすいという利点があります。
イベントの記念品やノベルティ、チームの限定販売品などに発展させやすく、素材としても魅力的です。
また、球体という難条件に取り組むことで、位置補正のノウハウを蓄積でき、他の曲面印刷にも応用が利きます。

使用機材と前提条件

今回はUV硬化型インクを用いるインクジェットプリンターを使用しました。
ボールは一般的な合成皮革系のサインボールを想定し、表面は軽い脱脂のみで下地プライマーはなしの条件でスタートしました。
ヘッドの高さは安全マージンを確保しつつ、最低値付近に設定しました。

デザインはシンプルに

ロゴサイズと配置の考え方

球体では視野角が大きく変化するため、ロゴは小さすぎると遠目で目立たず、大きすぎると歪みが目に付く傾向があります。
今回は視認性と歪みのバランスを狙いました。

データ準備のポイント

デザインは弊社のアイコンを用意しました。
今回はホワイト下地なしのため、白は素材の白を活かす設計としました。

位置合わせ

ボール固定の基本

球体はわずかな回転でも印刷位置が大きくずれるため、まず回転を防ぐ固定が重要です。
今回は両面テープでボールを固定し、位置合わせを行いました。

サインボール印刷前

いざ印刷開始

サインボールに印刷中

一回目の結果と反省

印刷はきれいにのったものの、狙いとは若干ズレた位置にロゴが着地しました。
ボールの回転方向が意図せずわずかにずれており、曲面では小さな角度差が位置ズレとして増幅されることを学びました。

サインボール印刷失敗

二回目に向けた調整

ボールの僅かな位置調整を行い、再挑戦!
縫い目を基準にしながら角度を慎重に合わせて印刷をスタートしました。
「今度こそうまく印刷されることを願います」と祈るような気持ちで機械を見守ります。
印刷機の動作音に緊張が高まり、結果を待つ時間そのものが挑戦の一部となりました。

サインボールに印刷を再挑戦

再挑戦のプロセス

完成品の仕上がり

ロゴは概ね狙い通りの位置に収まりました。
発色は素材の白を活かしたすっきりした見え方で、近距離でもムラは感じられません。
そして今回もちゃっかりロゴを入れました 笑

サインボール完成

サインボールのロゴ面

品質確認と耐久性の目安

密着テストの実施

二四時間の養生後にクロスカットの簡易テストを行い、セロハンテープで剥離の有無を確認しました。
今回の条件では大部分は問題なかったものの、一部で若干インクが剥がれる箇所が見られました。
より確実な密着性を得るためにプライマーの併用が望ましいでしょう。

よくある質問と回答

ホワイト下地は必要か

素材色が白であれば省略可能ですが、彩度の高い色や写真表現ではホワイト下地を敷くと発色とコントラストが向上します。
写真やグラデーションを用いる場合はホワイト下地を推奨し、単色ロゴやシンプルなマークであれば素材の白を活かすことで、自然で軽やかな仕上がりにすることもできます。

どんなデザインが向いているか

アイコンや太めのロゴなど、視認性の良い要素が相性良好です。
はっきりとした形状やコントラストの強いデザインを選ぶことで、仕上がりの印象が格段に向上します。
特にイベント用の記念品やノベルティでは、遠目からでも認識できるロゴやシンボルが効果的です。

失敗から得た学びの共有

初回は位置ズレが発生してしまいました。
再挑戦では、概ね意図通りの位置に印刷することに成功しました。
印刷の良し悪しは機械性能だけでなく、前準備に依存することを改めて実感しました。

次に試したいこと

ホワイト下地ありとなしの比較、クリアインクの有無で耐摩耗性比較を計画しています。
また、ボールサイズの違いによる見え方の比較等も行えればなと考えています。
応用先としては、グローブのワンポイント、ヘルメットのカスタム、タンブラーの名入れなど、曲面全般への展開が見込めます。

まとめ:サインボール印刷で得られた成果と学び

サインボールへのUVインクジェット印刷は、位置合わせが最大の山場でした。
失敗を踏まえた再挑戦で条件を詰めた結果、狙い通りの位置と十分な発色を実現できました。
シンプルなロゴでも立体物に載せると存在感が増し、特別感のある記念品に仕上がります。
今回の学びは球体だけでなく、さまざまな曲面印刷に応用可能です。
「こんなアイテムにも印刷できるのか」という企画のご相談も歓迎です。
実機検証と小ロット試作からサポートします。
>ガラス・紙・木材・皮・陶器などに対するUVインクジェット印刷の詳細はこちら

スタッフブログ一覧へ戻る
TOP