印刷チャレンジ 〜Vol.7〜【領収書入れ編】
「UVインクジェット印刷って、どこまでできるの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は私物の“領収書入れ”を使って、ちょっとした実験的な印刷に挑戦してみました。
両面から印刷を行い、透明素材の特性を活かした“仕掛け”も仕込んでいます。
素材選定からデザイン制作、印刷工程、仕上がりチェックまで、実際の作業プロセスを画像付きで詳しくご紹介します。
「印刷って奥深い」「こんな遊び心もあるんだ」と感じていただければ嬉しいです。
両面UVインクジェット印刷で透明素材をカスタム!
印刷対象は100円ショップで買った領収書入れ!
今回使ったのは、普段使っている領収書入れ。
(勝手に領収書入れにしているだけですが…笑)
100円ショップで購入したもので、事務用品として使っているごく普通の透明ケースです。
もちろん、メーカー品でもなく、UV印刷用の下地処理が施されているわけでもありません。
まさに“素材勝負”の一品。
この素材に対してどこまでキレイに印刷できるのか、あえて難しい条件でのチャレンジです。
素材にUVインクはのる?テスト前の注意点
こういった素材は一般的にインクの定着が弱く、印刷後にこすれたり剥がれたりしやすい素材とされています。
今回は前処理なしでの印刷テストとなるため、インクの密着性やにじみの出方も検証のポイントです。
また、ホワイトインクは使わず、透明感を活かした仕掛け印刷に挑戦することにしました。
デザインの構想と仕掛けの仕組み
裏面は黒ベタ、表面は透明…でもアイコンが浮かび上がる!?
今回の仕掛け印刷はとてもシンプルですが、ちょっと楽しいギミックを取り入れています。
それは「紙を入れると、会社のアイコンが現れる」というもの。
具体的には、裏面に全面黒ベタの印刷を行い、そこに重なるように表面側から黒色で会社のアイコンを印刷します。
表面だけを見ると、うっすらとしか見えませんが、紙を中に差し込むことで背景が白くなり、アイコンがくっきりと浮かび上がるという仕掛けです。
Illustratorでレイヤーを分けてデータを設計し、アイコンの位置が裏面とピタリと重なるよう微調整。
この「見えそうで見えない」「でも紙を入れると見える」という体験は、実際に使う人にちょっとした驚きと遊び心を与えます。
印刷開始!両面UV印刷の工程
まずは裏面から出力
使用したプリンタは、UV硬化型インクを搭載したインクジェット方式。
瞬間的にインクを硬化させるため、にじみが少なく、素材を選ばず印刷できるのが特長です。
まずは裏面に黒ベタを出力。
表面は慎重に反転印刷!
裏面の乾燥を確認した後、表面の印刷に移ります。
印刷機のテーブル上で正確に反転し、表面側に黒アイコンを配置。
位置ズレが起きないよう、アタリを確認しながら配置し、印刷スタート!
UV印刷では、一発勝負になることもあるため、集中しての作業が続きます。
透明素材にしっかり乗るかどうか、毎回緊張の瞬間です。
印刷動画も公開予定!
この印刷風景は、InstagramやYouTubeへも投稿させていただくので、
実際のプリンタの動作やUV照射の様子など、ぜひチェックしてみてください!
完成!オリジナルの領収書入れができました
完成した領収書入れは、想像以上にいい仕上がりに!
透明感はしっかり残しつつ、裏面はしっかり黒。表面のアイコンは、見る角度によって存在が変化する繊細な仕上がりに。
いよいよ紙を入れてみると…?
さて、いよいよ“仕掛け”のお披露目です。
中に白い紙を1枚差し込むと…
おぉ!アイコンがはっきりと現れました!
紙を入れることで背景が白くなり、表面の黒インクがしっかりと目立つようになります。
まるで透かし印刷のような効果ですが、これはすべて表裏の重ね印刷だけで表現したものです。
UV印刷の可能性はアイデア次第で無限!
今回の取り組みを通じて感じたのは、印刷にはまだまだ“遊び”の余地があるということ。
普段使いの道具も、ちょっとした工夫と印刷技術で「持ちたくなるモノ」に変わるのです。
特にUVインクジェットは、
・アクリルや金属、木材、塩ビなど多様な素材に対応可能
・速乾・高耐久で商業用にも実用的
・小ロットから1個でも対応できる柔軟性
といった特長があるため、個人利用から企業の販促品、ノベルティ制作にも幅広く活用できます。
今後の展望:もっといろいろ印刷してみたい!
今回のような“仕掛け印刷”は、見る人の心をちょっとワクワクさせることができる表現です。
今後は名刺ケース、USBメモリカバー、スマホスタンドなどにも挑戦してみたいと思っています。
また、ギフトや周年記念などの特別なシーンに、こうしたオリジナルグッズを活用する企業様も増えてきました。
「1個だけ試してみたい」「少量だけ印刷したい」
そんなご要望にも対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください!
まとめ:印刷に“仕掛け”を組み込む面白さ
UVインクジェット印刷を活用した両面仕掛け印刷。
今回は私物の領収書入れを使って、透明素材に対する挑戦を行いました。
・印刷前の素材確認
・デザイン設計と仕掛けの発想
・表裏の精密な位置合わせ
・UVインクの特性を活かした印刷表現
こうした積み重ねによって、たった1つの印刷物に“ストーリー”が生まれます。
印刷の魅力は、ただ文字やロゴを出力するだけではありません。
そこに遊び心と工夫が加わることで、印刷物は“体験”へと変わります。
▶樹脂に対するUVインクジェット印刷の詳細はこちら