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物から印刷データを作成する

物から印刷データを作成する-アイキャッチ画像

弊社は元々製版用フィルムを作成していましたが、その時のノウハウを使って、UVインクジェット印刷用のデータを一から作成することが多くあります。
そのデータを作成するにあたり、お客様から支給される物は図面であったり、何かをスキャンした画像であったり、そもそも印刷に不適な解像度の低い画像であったり、手書きのラフ図面だったり、紙の印刷物であったりします。
もちろん印刷データが支給されて、そこからデータ編集することが一番多いのですが、お客様が持っておられるのが、実際に印刷された物しかない場合も多々あります。
そんな時は現物から印刷データを起こし、UVインクジェット機に送ることができる印刷データに仕上げる必要があります。

更新:2026.2.19 公開:2024.2.10

紙媒体からのロゴデータ復元事例

先日は、とある企業の紙に印刷されたカタログが支給され、そこに印刷されたロゴマークを元にロゴデータを起こし、それを使ってロゴシールを作成するという仕事がありました。
色に関してもできるだけカタログの色に合わせて欲しいというご要望でした。
とりあえず、カタログの裏面にカラーで印刷されたロゴマークをフラットベッドのカラースキャナでスキャンするところから始めます。
その画像をイラストレーターというソフトの画面上に表示し、イラストレーター上でその画像に沿ってトレースという作業を行っていきます。

トレース作業によるアウトラインの作成

これはイラストレーターのペンツールを使って行う作業で、画像の上をペンツールで少しずつなぞってアウトラインデータを作っていく様な感じです。
(実際には、ペンツールを使ってなぞるというよりも、目標とする曲線上に決定した任意の点から点までの曲がり具合を調整しながら進んでいく感じです。)

オートトレース機能と限界

最近のバージョンのイラストレーターでは、オートトレースといって、イラストレーター上に読み込んだ画像に対して、ある程度まで自動でトレースしてくれる機能も備わっているので、場合によってはそれも活用したりします。
ただし、オートトレースが有効な場合は限られていますし、その結果作成されたデータも実際の印刷に耐えられない場合が多いので、ほとんどの場合は手作業でトレース作業を行わなければなりません。

文字(フォント)の再現

ロゴに文字が含まれる場合は、文字の部分に関しては、一般的な書体が使われている場合、とりあえず似通った書体を使って大きさや太さ、長体率を合わせて文字を打ち、そこから修正するという方法を使うこともあります。
全く同じ書体があれば、それを使えば問題ないのですが、ぱっと見には似ていても、全く同じ書体が見つかることはほとんどありません。
もちろん、一般的な書体でない場合は、初めから図形と同じ様に文字も全て手作業でトレースしなければならない場合もあります。
今回ご依頼いただいたロゴマークでは、近似書体での作業が可能であったので、その分、作業量も少なくすることができました。

グラデーションと色再現のプロセス

今回作成したロゴは、部分的に白色のボカシのグラデーションが入っていたので、それもデータ上で再現する必要がありました。
グラデーションイメージを再現する場合、支給された印刷物の見た感じを画面上で再現することになりますが、たとえ画面上と現物で見た目が合っていても、実際に印刷するとイメージが大きく異なるということもあるので、次に述べる色合わせと同様に、繰り返しの作業が必要になる場合があります。
そうしてとりあえず形ができたら、今度は色再現に取り組みます。

慎重な色合わせ(カラーマッチング)

多くの場合、特に今回のようなロゴの様にコーポレートカラーが用いられている場面では、お客様はできるだけ現物の色に合わせてほしいという要望を持っておられる場合が多いので、色合わせも慎重に行わなければなりません。
実際の作業は、手持ちのカラーチャートなどを活用しながら色を決めていきます。
UVインクジェット機に送るデータは、基本CMYKの4色のデータなので、イラストレーター上で、CMYKそれぞれ色成分を決定しなければなりません。
カラーチャートを支給された現物に合わせてみて、似通った色を決めたら、そのCMYKの色成分を調べてイラストレーターのデータ上で再現してみます。
また、カラースキャナでスキャンした現物の画像データの色成分も参考にしながら色成分を調整します。
最終的にはUVインクジェット機で印刷した色が支給された現物と合っていなければならないので、実際に印刷する材料に刷ってみてから調整するということが必要になってきます。

経験と「マトリックスカラーチャート」

色合わせは、ある程度までは機械的に行うことができますが、微妙な色合いは経験と勘によってデータ上でCMYKの色成分調整を行い、それを実際に印刷してみての繰り返しとなる場合がほとんどです。
この時には、色成分を二次元に展開したマトリックスカラーチャートをデータ上で作って、それを印刷してみることにより、この繰り返しの手数を格段に減らすことができます。

まとめ:現物再現へのこだわりと最終工程

最終的には、元の印刷物と実際に印刷する物の素材や表面の状態が異なりますし、印刷の手法も異なっているので見た目が全く同じということは不可能ですが、それでもお客様に納得してもらえるだけの色調整を行わなければなりません。
印刷された現物が支給された場合、この様な手順を経て、ようやく実際の物に印刷することができる様になります。

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