弊社ではUVインクジェット印刷と共に、シルクスクリーン製版やエッチング、アルマイト染色用に用いる製版用フィルムも作っています。
それらの仕事の中で、ときどきある注文が、既存の製品と同じ印刷の物を作るというものです。
先日も、鉄製の筐体が支給されて、そこに印刷してあるパターンと同じものが印刷したいので、それから版下を作成し、製版用フィルムを起こしてほしいという依頼がありました。
その筐体は、印刷面が平らな物だったので、まずスキャナでその面をスキャンします。
印刷面に突起がある場合などは、突起が小さければスキャナで無理やりスキャンすることができるのですが、大きな突起があったり、形状が複雑な場合はスキャナで対応できません。
そんな場合はデジカメで撮影して作業できなくはありませんが、どうしても画像の歪みが大きくなってしまうので、なかなかドンピシャの版下データを作成するのは難しくなってしまいます。
スキャナで撮った画像は寸法が正確に出ていないので、画像の寸法補正をかけます。
その後、画面上で、元の製品に印刷してあるパターンを作っていくのですが、今回に関しては書体がバッチリ同じ物があったので、助かりました。
全く同じ書体が無い場合は、お客様に断って近似書体で行くか、あるいはスキャンした画像を元に、文字をつくるしかありません。
絶対に元の書体のままでないといけない、かつ品質的に綺麗なものでないと場合は、全ての文字をトレースなんてこともあります。
穴や外形もスキャンした画像から書き起こし、文字と合わせたPDFデータでお客様に校正データを送ります。
校正OKとなったら製版用のフィルムに出力して、実際の筐体に合わせてみます。
それでずれ等の問題がなければ、そのフィルムをお客様に納品と相成ります。
今回は、最終納品形態はシルクスクリーン用の製版用フィルムでしたが、これが最終的に弊社でUVインクジェット印刷をする場合でも基本的にはやることは同じです。
ただし、UVインクジェット印刷の場合は、この版下データ作成が済んでから、色合わせが必要となってくる場合もあります。