インクジェット印刷に限らず、印刷では印刷物にホコリが付着してNGとなる場合があります。
インクが乾いた後であれば、ホコリを取り除けば良いだけですが、印刷する前や、印刷している途中にホコリが着くと、どうしようもありません。
インクジェット印刷の場合は、印刷している時間が長い為、どうしても印刷途中にホコリが付着する可能性が高くなり、その分、NGの可能性が高まってしまいます。
特に弱電関係の樹脂成型品等は、印刷不良の基準が厳しく、肉眼ではほとんどわからない程度のホコリでもNGとなる場合があります。
先日印刷した樹脂成型品では、試作の段階でメーカーから印刷不良に対する要求基準が送られてきたのですが、その程度が今までになく高く、厳しい物でした。
何度かの試作でもなかなか要求基準を満たすことができず、困っていたのですが、そのまま量産になってしまいました。
印刷しながら対策を考えるという状況に陥ったのですが、ゴミ取りローラーを変えてみたり、UVインクジェット機全体をブルーシートで覆ってみたり、極力人がUVインクジェット機の置かれているビニールカーテン内に入らない様にしたりしました。
そんな対策の中で、一番効果が大きかったと思われたのが、空気清浄機でした。
急遽用意しなければならなかったので、少し大きめの家庭用の空気清浄機をアマゾンでポチっとしたのですが、これがなかなかの優れもので、その空気清浄機から出てくる風の前にしばらく品物を置いてみても、全くホコリが付着する様子はありません。
これならと、空気清浄機から出る風を直接UVインクジェット機の印刷台の方に向けて印刷してみると、ホコリ不良がとたんに少なくなったのです。
空気清浄機から出るホコリの無い空気が強制的に送られることにより、ホコリを含んだ空気が製品の周りにやってくることを阻止する効果があったものと思われます。
量産といっても良品300個程度だったので、対策が功を奏した頃には、印刷そのものが終わってしまいましたが、今後に生きる経験となりました。